(三谷成)





    恵介と舞花が別れた。

    理由はハッキリしている。それにその原因を作ったやつは塾を辞めた。もう用済みだからといって。
    俺は最近、直哉を通じて知り合った第二中の水嶋くんと情報交換をしている。二中の男子は舞花のことをそういう目で見る人が多いらしい。それに水嶋くんはサッカー部だった時に問題起こして部内でも浮いてたらしく、そんな水嶋くんと舞花は仲良いからよりこうなってるんじゃないか、と水嶋くんは言っていた。





    塾の日、進路関係で学校に居残ってたため学校から一人で塾に来た。ら、「よっ!」とやってきたのは蓮希先輩。

    この人なら、なにかできる力あるんじゃないか。


    蓮希先輩は舞花の部活の1つ上の先輩で同じ塾。先輩最近は悪い噂しか聞かないけど、優しい先輩。


    「茉子から聞いたけど、舞花大変なんだってな」
    「はい。ほんと二中の男子ってましな人ほんとに少ないですよね」
    「俺も二中のましじゃないやつに入ってるけどな」
    「いやそうじゃなくて。舞花もいくらやられてもメンタル強いところすごいとおもいますけど」
    「…あー。…てかさ、成。俺の最近の話聞いた?」
    「あー、まー、聞きましたけど…。」
    「あれね、この間までね。ほんと恋愛どうでもいい、こうしてたほうが楽しいって思ってたからさ、でも傷は消えないんだな」
    「先輩たしか去年彼女いましたよね。好きだった人…。」
    「だったっていうか、今もだね。って最近やっと気づいた。やっぱ忘れられん。まー、振られた身だけどさ」


    そーいえば去年、先輩は彼女いたんだけどひどい感じで別れたんだけ…。


    「…でさ、舞花は二中の男子に狙われてるんだっけ。」
    「はい。」
    「舞花は今の時期これじゃ本当にやばい。1ヶ月後に二中吹部が5年ぶりに全国出るんだけど、舞花は部長だし…。」
    「ああー、そーいえば。」
    「康斗の話だと部活では正常って言ってたけどな。」
    「部活の時はちゃんと切り替えてますしね、あいつは」
    「あーそっか、でも気になんのはあいつの内心だな。精神的にもたなくなりそうだ。…とりあえず今日はずっと自習室にいるから何かあったら呼べ」
    「わかりました。」

    蓮希先輩は本当にいい先輩。年上、同い年、年下誰にでも協力的で。







    この日の塾が終わったのは夜の8時半、帰り際に事は起きた。
    俺と恵介がちょこっと先生のところに話に言ってるうちに、舞花はいなくなってた。

    丁度中2クラスも授業終え、直哉と遼太と俊太とも合流し、探しに行った。
    遼太が靴を見に行くが、なくなっていたと。

    「え、これってまじでやばくね?」
    「あ、蓮希先輩…」

    話を聞いていたのか、蓮希先輩がやってきた。今までずっと自習室にいたんだろうか。

    「遼太が舞花の靴を確認しにいってなかったんだろ?そしたらもうここから出てるのかもしれない。自転車は探した??」
    「あ!探してないです。」
    「んじゃ遼太は自転車確認しにいって。俺らはとりあえず外出よう。」

    蓮希先輩の言う通り、俺らは外に出た。






    「蓮希先輩、舞花ちゃんの自転車はありました」
    遼太がそう言って帰ってきた。

    「んじゃ、まだこの周辺にはいるのかな」
    「それはどうかな俊太。ここは街中だし、連れ込める場所もたくさんある」
    俺が俊太にそういうと蓮希先輩は、お前の言う通りかもしれねえから、と言って街中へ歩きだし、俺らはそれについていった。



    「ちょっと人手足りねえな。敬也と京汰呼ぶわ。」
    「お、敬也先輩と京汰先輩」

    今蓮希先輩が呼ぼうとしてる2人の先輩は、同じ塾の先輩で、第二中で吹奏楽部だった人。高校はそれぞれ違うけど、とてもいい先輩たち。俺らにも気さくに話しかけてくれる。敬也先輩は東商で、京汰先輩は桜樺だったはず。




    蓮希先輩はその先輩を呼び、数分で2人はやってきた。かなり久々に会う。


    「おー、成や恵介に直哉に遼太に俊太もいるじゃん」
    敬也先輩がそう言って俊太の頭を撫でた。

    その後に蓮希先輩が
    「んじゃ舞花探しにいこうか。」
    と言った。そしたら敬也先輩は
    「あれ、舞花探してんの?さっき俺んちの店の近くにいた気がするけど」
    と言う。

    「は??敬也、お前んちの店ってちょっとやばくね??」
    京汰先輩がそういった。
    敬也先輩の親がやってる店は……

    「いや、一瞬しか見てないから半信半疑だったしあっち入ってったからあいつが来るわけないって思ってたけどあれやっぱ舞花か」
    「お前半信半疑のままで終わらせんなや。いくぞ。」

    現在時刻は21時5分。時間が時間だからと俊太と直哉と恵介は帰っていった。恵介はものすごい泣きそうな顔をしていたけど、親からの連絡がうるさいからしょうがない。







    敬也先輩の家についた。先輩の家の中から裏方に入れるらしく、5人で入って行った。



    「お、おい、舞花の声聞こえるぞ」
    京汰先輩がそう言った。たしかにこの中にいる。蓮希先輩は勢いでドアを開けた。


    「…チッ」
    中にいた奴はすぐに出て行った。たしかこいつは恵介のことが嫌いな奴だ。


    「舞花、立てるか?大丈夫か?」
    「は、蓮希先輩…大丈夫…です」
    蓮希先輩が舞花をささえる。舞花の状態はヤバイ。

    「逃げやがったな。くそ」
    「敬也先輩、今の一中の奴なんで、あとは恵介に頼みましょうよ」
    「そーだな、成。どこにいるかもわかんねえし」

    今の人は一中で、去年サッカー部辞めたという奴だ。チャラチャラしてて二中にいそうな感じしかしないが。






    「とりあえず恵介先輩には俺から報告しました。」
    遼太がそう言う。

    「…あと卒業まで半年以上ある。その前に舞花は全国大会が待っている。4年ぶりだ。そして進路に受験に、待ち受けてることはいっぱいある。とりあえずこのへんは俺らとかその周りとかで止めるしかない。特に二中は。」
    「うん。蓮希の言う通り。舞花は塾やめるっていう選択肢はないのか?」
    「それだけは…ないです。」
    「そっか…。じゃあ頑張るしかねーな。」


    ここで先輩や後輩たちとは解散した。




    そして、舞花と2人になった。

    「ねえ、成、」
    「何?」
    「…拓哉に聞いた。なんかいろいろごめんね。」
    「…いや、俺は何も。」
    「学校でもこう。私、もうどうすればいいの…」
    「んなもん舞花が悩むな。」

    舞花はその場で泣き叫んだ。


    こいつはこいつでいろいろある。
    このことに関してもだけど、部活に勉強。特に部活は全国大会控えてるんだってな。それに舞花は部長だ。



    まあ、これからなにもなければいいけど…。
    1回ぐらい面と向かって言った方がいいんだよな。




    「舞花さ、今の二中の3年で信用出来る男子って水嶋くん以外にいる?」
    「信用出来る男子…。詩音かな。小倉詩音。碧葉の彼氏」
    「碧葉の彼氏くんね。わかった。」
    「拓哉とも唯一仲良い男子だし、吹奏楽部だし。吹部の3年の男子ならみんな信用できるんだけど詩音はその中でも」
    「二中の3年男子荒れてんもんねー。だから余計に狙われやすいんだし。とりあえず気をつけて」
    「わかった、ありがとう、本当にごめんね、成。」


    ここで俺らは解散した。








    大きな事が起きたのはその1ヶ月後だった…、

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