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	<title>Ｓｔｏｒｙ</title>
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	<description>本編短編</description>
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		<title>とても優しい彼</title>

		<description>
(福田結葉)




 始まりは、いつだ…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 
(福田結葉)




 始まりは、いつだろう。

私が困っていると、助けてくれる。気さくに話しかけてくれる。笑顔が素敵な君に、恋をしている。

ちゃんとした恋なんて何年ぶりだろう。中1の時ぐらいか。誘われたらついていく。その繰り返しだった、中学の時。なんでそれが楽しかったのだろう。あの人を見て実感する。

彼は同じ部活。学科違うとはいえど、部活外でも会ったら話しかけてくれるし、ノリも好きだし、何だかんだ吹奏楽部の男子で一番親しいだろう。




昼休み、食堂に行くと、泰輝に会う。

｢よっ、｣
と、頭を叩かれる。

｢泰輝かよ！！｣
私も泰輝を叩くが、吹奏楽部とは思えないくらい体はがっしりしていて、腕をつかまれるのもあっという間だった。

泰輝の楽器はパーカッション。本人の話だと、小4の頃に空翔の誘いで始め、今年で9年目。この部活でも発言力と吹奏楽知識があり、そして実力もある。

片想いしてからどれぐらい経つのだろう。
かれこれ…1年は経ってるのではないか。

｢ねえー、パン奢ってー｣
と、購買の方を指さされる。
｢んなもん自分で買えよ〜！男だろ〜？！｣
｢別にそこは男女関係ないだろ〜俺財布忘れたんだって〜｣
｢私には関係ありませーん｣

そう言い放ってスタスタと自動販売機のところへ私は向かった。

｢相変わらず仲良いね〜、結葉たち｣
ずっと私の横にいた瑠華が言ってくる。
｢そう〜？｣
｢好きなんでしょ？告らないの？って私、結葉にずっと言ってるけど｣
｢や、そんな、そこまでは…うん。｣
｢結葉が長い間片想い楽しんでるところを見るとは思わなかったよ…｣

たしかにそうだ。瑠華は何気に中学時代からの知り合いだ。たまたま高校のクラスが同じになって、二人とも最初は部活に入る気がなかったが、2人で一緒に入り、部活も同じ。

昔なんて片想いの期間は短かったというか、ちゃんとした恋じゃなかった。告白なんてちゃんとしたことないしなぁ。いつもノリだったから。



部活は今年は二年連続で支部大会に出場することができた。｢レ・ミゼラブル｣の代。
西星の吹奏楽部は強豪校の一つで、人は少ないが、マーチングの全国大会の出場回数もこの辺では一番。座奏は近年から力を入れ始め、蓮希先輩部長の去年にようやく支部大会出場ができた。

そして、この間の支部大会では、全国大会への切符を手に入れることができた。

でも、あっという間だなぁと、近々実感する。
何がって、皆と…君と…一緒にいれる時間が少なくなっていく、ということ。






日曜日の部活、去年の3年生…蓮希先輩たち｢ベルキス｣の代の先輩が数人部活に遊びに来ていた。 

詩菜先輩、かえで先輩、美紅先輩、蓮希先輩、陸人先輩だ。

部活の昼休み。私たちは近くの教室で、瑞菜や碧葉にののちゃんに男子5人といつものように弁当を食べていた。

｢やっほーい！｣
と、かえで先輩がやってきた。

｢先輩！！お久しぶりです！！｣

すると｢はい 差し入れ！｣と詩菜先輩からドーナツを頂いた。

｢みんな、何か進展ないの？？恋愛とか！｣
と、私達は美紅先輩に聞かれる。

｢あ、たしか碧葉は惣平と付き合うことになったんだって？！晟一から聞いたよ｣
続けて美紅先輩は碧葉に言う。

｢はい…。｣

｢柊もいい人だったと思うけどね〜。勿体無い｣
詩菜先輩は碧葉に向けて言った後、私の方を向く。

｢ってか結葉！ちょっと！｣
と言われて隅の方へ向かう。

｢結葉って、昔蓮希と関係持ってたんだって？！｣

小声でそう聞かれた。


…なぜバレた。
蓮希先輩のほうを向くと、｢ごめん｣という素振りが見えた。

｢なぜそれを…｣
｢たまたま耳にしたから。蓮希に聞いても全然答えてくれないし｣

蓮希先輩からその話を出した訳ではなさそう。でも、なぜこの人が知っているのか。たまたまって、身内の誰かがバラしたのか。



午後の練習はあまり気分が良くなかった。





午後4時、部活が終わって帰ろうとすると、泰輝に

｢これからどっか行かね？｣
と言われる。

｢どっか…って？｣
｢ついてきて！｣

そして、まっすぐ市街へ向かった。
ついたのは、オシャレなカフェ…？

イチゴのパンケーキをたのみ、泰輝は話し始めた。

｢ここ、俺のいとこの親がやってる店でさ。パンケーキがすんげーうまいんだ！結葉、元気なさそうだったから元気になってもらいたくてつい。｣

私は泰輝のその優しさに感動し、思わず涙が出た。自分のためにここまでやってくれる人がいるとは。

｢ど、どうした？嫌だったか？｣
｢や、嬉しくて…。ありがとう、泰輝。｣
｢いえいえ。…ところでさ、｣

急に真顔になる泰輝。

｢さっきの詩菜先輩との話…聞こえたんだけどさ…蓮希先輩となんかあったの？｣

やっぱり、その話だったか。
私は中学時代に何があったかを全部説明した。好きな人だからこそ、隠したくない。隠しておきたくない。
男に飢えてたあの時期に、蓮希先輩と数回身体を重ねたことに、色々と。

泰輝も、中学時代の恋愛経験を話してくれた。

｢…俺、中学の時彼女できたことあって。浮気されたのをきっかけに、もう恋なんてしないって決めてたんだ。でもやっぱりしちゃうね、恋って｣

そして私の目を真っ直ぐ見る。

｢結葉が好きです。｣

私は嬉しさのあまり再び泣き出した。

｢おい、だからなんで泣いてんの｣
｢…嬉しくて。私だって、いつのまにか好きになってたし。｣
｢じゃあ、両想い？！やったね！｣

子供みたいに喜ぶ泰輝。とてもかわいい。

｢最初はまあ、吹奏楽部の中では大人っぽくてかわいいなと思ってた。でも関わってみると子供みたいだったり、可愛いところに魅力を感じたよね。そしたらいつの間にか結葉に惚れてた。｣

照れながら言ってくれた。

｢私だって…。困ってたら助けてくれたり、いつも気さくに話しかけてくれたり、そして優しいところに…。｣

なんて言うだけで恥ずかしい。泰輝はよく言えたよな、なんて思う。

帰りは手を繋いで、歩いて送ってくれた。
家は逆方向なのに、そんなのもお構い無しに。





他愛のない話。いつもと変わらない。


変わったことは、泰輝が彼氏になったこと。

やっぱり私、この人に惚れて良かった。 ]]>
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		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2016-06-07T23:33:02+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
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		<title>共に進む道</title>

		<description>
(野村康斗)



周りの人は恋愛をし…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 
(野村康斗)



周りの人は恋愛をしてる人が多いな、とつくづく思う。兄ちゃんも去年に彼女と復縁してるし、中学の時からお世話になってる詩音先輩も彼女いる。

いや、俺は恋愛してない訳じゃない。好きな人はいるんだ。言えない、会わないまま年は過ぎる、だからといって他にも好きになれるような人はいない。知ってるのは一部だけだし、俺もこのままでいいやって思えてきたのもある。

高校に入学して1年がたち、2年生へと進級した。進路が決まらないままの1年はあっという間。進学はするが、大学に進学するか音楽の学校に行くかのどちらかで迷っている。
高校入るまで何の目標もなかった兄ちゃんは音楽の道に進み、北都音大に入学した。


この日は先生方の会議で部活が1年でも数少ない休み。せっかくだから中学校の部活に遊びに行くことにした。…そこで会ったのが

｢あれ〜、康斗じゃん！｣
と、明るい声で話しかけてきた…零里だ。

彼女こそずっと片想いしてる相手だ。
   
｢…いきなりなんだよ、びっくりした。そもそも何でいるの？｣
｢部活オフだったからね〜！暇だし学校終わってすぐ来たよ｣

そういえば西星の制服を来ている。零里の制服姿は中々見ないから新鮮。西星は本番用の衣装があるから、そこで零里に会ってるし、そちらの印象のほうが強い。



今年の第二中のコンクールは、課題曲はⅠで自由曲は｢交響曲第3番｣だ。部員も前に比べれば人減ったよな、と思う。新1年生は俺らの時より10人ほど少ないらしい。初心者の人はロングトーンを頑張っている。俺は小学生の時に始めた頃のことを思い出す。

零里は俺と同じ時期にトランペットを始めた。零里のほうが吹奏楽歴は1年だけ長い。最初の1年はホルンを吹いていた。



合奏を聴き、後輩と話した後に、顧問の先生に職員室に呼ばれる。


｢2人は、進路はどうなんだ？｣
と聞かれる。

｢私は就職したいなぁと…｣
と零里は言う。
｢なるほどね。康斗は？｣
｢え…っと…｣

この場合って、迷ってると言った方がいいのか

｢商業を学び続けるか、音楽の道に進むかで迷っています。｣
俺はそう答えた。

｢2人なら、将来音楽の道に進めると思うんだ。全国大会で素晴らしいソロを吹ききった。高校でも活躍している。そんな2人だからこそ。｣

そう言われて、東明音楽専門学校、というところのパンフレットを出される。毎年全国各地から様々な人が入学するとの噂だ

｢ここ。貴方たちの身近な人では…京汰が今年入学した学校だ。学校の詳しいことは京汰に聞くべきだけどな｣

京汰先輩は音楽の道に進んだのか。確かにあの先輩は中学時代から進路に迷っていた。通っていた桜樺高校も入りたくて入ったわけじゃないと言っていた。そして成績のとても良い先輩は高校の先生には国公立大学への進学を勧められていたみたいだ。先輩は自分のやりたいことを選んだ、ということになるのか。


｢｢ありがとうございました！｣｣
そう言って職員室を出た。




｢音楽の道か……それもいいかもしれないね｣
｢うん。｣

零里は西星でも2ndトランペッターとして活躍している。中学の時は1stと2ndを交互にしていたが、零里の音はとても美しい。ハーモニーも綺麗。俺もこいつが一番合わせやすかった。

｢東明を志望してる先輩は2人いるんだよね。同じパートにも1人いる。その先輩も中央中でバリバリ吹いてた人だから、音も良いし。｣
｢ああ、やす先輩が言ってた人か｣
｢そーいえばそうだ。｣

入れ違いなはずだけど割とトランペットパートの俺らに気さくに話しかけてくれていたやす先輩も西星の人だ。俺が中3の時にやす先輩と話した時、｢西星のトランペットに凄いの入ったよ。女子なのにバリバリ吹く。｣って言っていた。

｢音楽の道に進むんだったら、東明かな。でも他にもどんなところがあるのか気になる！｣
零里のやる気はたっぷりだ。

｢俺も。｣





 



  

その日以来、零里とは進路関係で連絡を取ることが増えた。こうやってまた関われることに嬉しいが、やはりそれで満足している一面もある。だから俺はこうなるんだよ。

詩音先輩に｢最近笑顔が増えたな｣とも言われた。詩音先輩もたしか俺が零里のこと好きだってこと知っている。それを話すと、｢恋の力ってやっぱりすごいね｣と返される。
いやいや、貴方程ではないですけど。


｢告白したら、もっと楽しいことはあるんじゃない？付き合えるかもしれないよ？｣
｢や、いや、あの…｣
｢片想いのまま終わらせるなんて勿体ない。しかもお前ら何年一緒に同じ楽器吹いてたの。ましてや進路の情報交換してんだろ？なら…｣
｢いや、俺には…｣
｢弱音は吐かない！お前男だろ！！｣

先輩に完璧に火がついた。いつだかと変わんねえな。何だかんだ世話になってる先輩だし、全く楽器は違うけど演奏者としても尊敬もできる。中学の時は碧葉先輩と、今はバスケ部の人と付き合ってるみたいだし、俺の知ってる中では一番恋愛経験ありそうな人だ。

｢そうして前に進むからこそ、いいことあるんじゃないの？お前なら絶対いけると思うけど｣
｢絶対って……｣
｢俺も中学で碧葉に告白した時、蓮希先輩…お前の兄ちゃんに同じこと言われたから。だから今度は康斗の番！｣

…兄ちゃんでしたか。
まあいいや。少しは勇気を持てた。はず。











それから2ヶ月がたったある日。丁度、東明音楽専門学校の選抜メンバーが地方演奏会として桜市に来ていた。2日目は東商の吹奏楽部全員で行くが、1日目は俺と零里で行けることになった。兄ちゃんが京汰先輩からチケットをとってくれたお陰で。


演奏は素晴らし過ぎた。迫力のある。そして美しい。音のメリハリも素晴らしい。何と言っても最初のトランペットのファンファーレは圧巻だった。

俺も、零里も、ここに進学すると決めた瞬間だった。


｢これはもう東明目指すしかないよね｣
｢本当にな。俺も東明行きたい｣
｢じゃあ2人で目指す？｣
｢…そうするか！｣

そこで握手をする。


｢…あとさ｣
俺は零里の腕を掴み、自分でもわかるぐらい急激に声のトーンが下がった。言おうとすると急激に緊張感が増している。

｢俺、中学の時から零里のこと好きなんだ｣
なんとか、言えた。

零里はびっくりして固まっている。

｢んな、固まるなって｣
｢いや、びっくりしすぎて固まるわ。康斗恋愛興味なさそうだったのに…｣
｢あ？馬鹿にしてんの？｣
｢してないです！してないですってば！！…私も昔から康斗のこと好きだったのに…。結構色んな人に話してるのに康斗には何にも気づかれないからさ…｣

ちょっと待て。それって結局俺と同じことしてるじゃん。じゃあ前の詩音先輩の言葉って……

｢まさかここで告られるとは思わなかったし、私から告る予定だったのになー！｣
なんて言われて叩かれる。まさか告白がお互いこんないつも通りのテンションだとは思わなかった。

｢付き合ってください…それだけは言わせてよね！｣
｢わかったわかった。｣
｢返事は1回って部活でも散々…｣
｢本気だから大丈夫。｣

ここで笑い合う。やっぱり普段通りが一番だ。




｢でも、付き合うとはいえ、高校生のうちはライバルだからね。｣
｢そうだな。編成が違うコンクール以外は｣
｢アンコンにソロコンもあるし｣
｢去年のアンコンは東商の金管の勝ちだけどな｣
｢次は絶対負けないから！｣




昔からいつでも傍にいてくれる君。
中学時代の仲間として。今現在のライバルとして。
そして、彼女として。

零里のことを大切にしていきたい。
心から誓った。




 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2016-04-11T00:02:46+09:00</dc:date>
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		<title>止められない行為</title>

		<description>※１部R15







(末松晟一)

…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ ※１部R15







(末松晟一)



幼なじみという近い存在なのに
片想いが報われないのはどうしてだろう。

告白はもう7月にしたんだ。
付き合うのはダメだったけど、俺がキスとかしても応えてくれている。甘えても動じない。彼女に好きな人がいればそりゃダメだったろうけど、彼女も恋愛から避けたい気持ちもあるんだってさ。

まあ俺も中学で一時期彼女いたけど、向こうから告白しといて喧嘩した時勝手にキレて距離おいて、別れよって言われて何がしたいのかよくわからんかった。


｢なんかさ、私らあれじゃない、いわゆるセフレみたいなやつ｣
｢セックスはしたことないけどね俺らでは。｣
｢まあね。付き合ってもないのにこんなことできるの晟一だけだし今だけだし｣
｢真面目くんな惣平に知られちゃ俺99％の確率で殺されるから黙っとけよ｣
｢それはわかってるさ｣

碧葉は去年は詩音と付き合ってたけど、碧葉のほうから一方的に振ったのだ。でも本人も未練はかなりあったようで。
それから俺の家で2人で過ごす事が増えた。
告白はダメでもそれ以外の行為は受け止めてくれる。本当のカレカノみたいだけど、これはこの空間だけで2人きりの時に、付き合ってない２人の勝手な行為。

｢んーじゃあさ、この状況でヤったらさ完璧なセフレじゃね｣
｢まーそーだよね｣ 
｢碧葉とやってみたい。お前初めてじゃねーしょ？｣
｢詩音と2回ぐらいしか経験はないよ｣
｢俺も経験したの2、3回くらいだから｣
｢あー。聡美ちゃんでしょ？｣
｢まーね。何で付き合ってたんだろうねって。でも別れてからだもん。初めては｣

中2の時に2ヶ月ぐらい付き合ってた元カノの聡美とは別れてからがはじめてだった。そいつは高校は東商いって今彼氏いるけどね。別にもうどうでもいいけどさ。本気で好きになったのは碧葉だけだし。

一方碧葉は詩音と経験はある。詩音は見た目や普段の生活からは考えられないぐらいエロいから…。

｢碧葉も重症だよね｣
｢晟一に言われたくねーわ。私はほぼ詩音のせいだ｣
｢そーだけどさ。幼馴染み二人揃ってだな｣
｢彼女作る気はないの？｣
｢ないよ。こうやってるほうが一番だからさ｣
｢でも誰でもできるって訳じゃないよね｣
｢ほんとさー。俺も碧葉ならなんか…｣
｢なんかもう共通点ありすぎてね｣
｢もう分かり合えるの碧葉だけだな｣

そう言って俺は後ろから抱き着いた。

｢はじまったー｣
｢今日はベタベタくっつくだけじゃねーぞ？｣
｢わかってるよ…｣

こいつ意外と胸でかい。

｢ねえ…やめてよ｣
｢わかってるんじゃねーのかよ？｣

碧葉は何も言い返せなくなったのかそこで黙った。…と思いきやキスをしてくる。碧葉からとか珍しい。
しばらくして舌を入れ、同時に制服のリボンとボタンを3つ外す。

｢ゃ…｣
｢声我慢してたんか？｣
そう聞くと碧葉は首を左右に振った。

｢うそつけ。我慢すんなって声ぐらい｣
｢恥ずかしいよ…｣
｢気にすんな。この部屋には俺らしかいねえ｣
｢でも隣の部屋に美紅ちゃんいるよね…｣
｢美紅ならいーよ。気にすんなって｣
｢…そーですか｣  

我慢を諦めたようだ。

こいつのはじめてが詩音だからこそこいつはこんな風になったのかもな。まああいつには感謝だ。


｢もう今更止めようとしても無駄だからな｣








この瞬間から僕らは壊れていった。





どれくらいの期間、この行為は行っていたのだろう。









あの日から2週間ほどたった頃…もうすぐ11月になろうとしてる時。

｢晟一お前、商業科の子と何かあったんか？｣
朝、朝練を終えて教室入った瞬間に、同じクラスの一樹に聞かれる。

｢…何、何の話｣
｢快人に聞け。あいつが言ってたから｣
｢ってことは吹奏楽部？碧葉のこと？｣
｢うん。何かあったのかって｣
｢別に、なんも…｣

もしかして…


快人が朝練から教室に戻ってきたと同時に聞きに行った。


｢…部活の商業科2年女子の先輩で1人、碧葉のことあんまり好んでないんだけどさ。晟一とのこと校内中に言いふらしてる｣
｢は？？｣
｢その先輩発言力すごくて、商業科では既に噂になってるみたいだよ。むしろ美紅先輩から聞いてないの？｣

いや、美紅からはそんな話聞いてない。
でも最近何かを言いたげにはしてた。

｢むしろなんで知られてるの｣
｢その先輩が美紅先輩と遊んだ時に、だって。詳しいこと美紅先輩に聞いてみたら？｣

もしかして、3日前のことだったりするか。最後まではしてないけど。
たしかに隣の美紅の部屋からはにぎやかな声が聞こえてた。それで美紅は怖がってたんだ。




昼休みに食堂へ行くと、2年生の女子につかまる。美紅と仲良い人だ。名前はなんだっけか。

｢あ、ヤリチン｣
なんて、すごいでかい声で言われる。

｢なんですか｣
｢なんでもないよ、顔を見に来ただけ｣
一体何なんだ。

｢碧葉ちゃんのほうがひどい言われようだから、気をつけた方がいいよ。晟一も。｣
その人と一緒にいた紗南先輩に小声で言われる。




｢にしてもかなりやばくね？お前大丈夫なん｣
たまたまそこにいた翔真に聞かれる。
翔真は昔から頼れる奴だ。商業科だから、詳しいことは知ってるんだろう。

｢悪いのは俺だけどね｣
｢それもそうだけど、あの人だってやってること変わんねえみたいだし｣
｢それは美紅に聞いてる。｣
｢まあそれはいいとして、問題は惣平だよ。あいつ碧葉のこと好きだし｣

そうだ。こっちのほうが俺にとっては問題なのかもしれない。惣平には幼馴染みってこと隠してるし、ましてやこの関係を知られちゃお終いだと思っていた。好きな子がこんな風に汚されて、いい気なんてする訳ないよな。俺ですらそう思うし。


｢まあ口出しされても仕方ないか。｣
｢行為を辞めようとは思わないのな｣
｢うん｣
｢即答かよ。｣

だって、碧葉のことは好きだから。
好きな気持ちは俺にだってある。



 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2016-02-16T22:09:03+09:00</dc:date>
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		<title>あの頃のおはなし</title>

		<description>(工藤洵太)


 
恋は、もう自分にはで…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ (工藤洵太)


 
恋は、もう自分にはできないんだろうか。








｢そーいやさ、洵太の恋バナ聞きたい｣

同じクラスの晃斗が聞いてきた。


｢あ、え、なんで…？｣

｢この前みんなそれぞれ自分の恋バナしてるから、いなかった洵太の話を聞きたいなって｣
まあ、こいつらにはいつかは話そうとはしていた。

｢洵太って彼女いたことあるの？｣
宗吾が聞く。
｢こいつはあるよ。中2と中3の時｣
それに響が答える。当時は響にも世話んなったな。

｢いたことあるんだ…｣
意外そうな顔をした宗吾に響が言う。
｢宗吾、それを馬鹿にしたらいけない｣
｢あ、はい、ごめん。なんか意外だったから｣

そりゃあまあ、意外って言われるよな。




当時の彼女とは割と昔から喋る女の子で、小学生の時から仲良くて、相手の方から告白してきた。

彼女は昔から響と同じ吹奏楽部でパーカッションをやっていて、とても楽器が大好きな子だった。楽器あまり詳しくない俺にもたくさん楽器の話をされていた。だから大抵は覚えたよね。


｢もう3年前ぐらいの話か、｣
俺がそう呟くと響も
｢ほんとさね。部が仲悪くなったのもそれ関連してたしな。洵太部活も違ったのに｣
と言う。

｢柊生がさ、先輩同士が仲悪くなったって言ってたんだけど、もしかしてその話関連するの？｣
晃斗が聞く。

｢うん…｣






…





中2の冬に告白されて付き合うことになった友梨とはけっこう仲良かった。互いの性格上喧嘩とかの面倒ごとは面倒臭いから喧嘩なんてしたことない。

その中間地位にいる響には｢お前らラブラブしすぎ｣って呆れられるぐらいだけど。



｢洵太って、メガネ外したら美少年なの、知ってるからね｣

そう言って俺のメガネを外してくるのも少なくはなかった。当時は学校以外で会うときはなるべくメガネを外したり、コンタクトで学校行ってたりとかもあった。

わりと互いにくっつき合ってて、二人でいる時はくっついてばっかりだった。さすがにこれは響とかの前でやったら｢お前ら彼女いない俺への嫌味かよ｣とか言われていた。



でも、彼女ことを好きなのは俺だけじゃなかった。




中学3年の夏、検定が終わり帰ろうとしたら、たまたま会った響に｢パートリーダーの友梨いないと話進まんから友梨探すの手伝って｣と言われ、探すとたまたま友梨が告白される現場に出くわした。
少し盗み聞きしてしまい、その場から立ち去ろうとしたら見つかる。

彼の名前は滝川直紀。俺の幼馴染みだ。


｢洵太〜友梨見つかった〜？｣
そんなのんきな響の声も聞こえる。

｢って、あ、…っと、ごめん｣
その状況に気づいた響は黙る。

｢…いいよな、洵太ばっかり恵まれてさ。｣
そう言って直紀は俺の胸ぐらを掴んだ。
｢どーいう意味｣
｢なんでお前みたいな奴がなんで恵まれてんだって言いたいの。別に顔がいいわけでもないじゃん、｣
そこに今まで黙って聞いてた友梨が口を出す。
｢そんなこと言わないで！！！私が洵太に惚れてそれで…｣
｢うるせーな！こいつメガネ外してもただのブスじゃん。それが何、お前は｣
｢もう、無理｣
友梨はその場から逃げ出す。

俺も、何も言えなくなった。
たしかに、昔から何をしても俺の方が上だった。
そりゃ嫉妬されてもおかしくない。
別に、いつものことだし。

｢おい｣
響が直紀に向かってグーで殴る。

｢最悪だな、最低なやつだな。お前の言葉で傷ついてんのは1人じゃねえぞ？俺も正直友達のこと悪く言われていい気しねぇ。しかも洵太の幼馴染みであり俺の部活仲間。俺もお前のこと信用ならねえ。少しは頭冷やせよ｣

洵太、こいつのことはほっとけ、
そう響は言って去っていった。

その後に直紀は謝ってくる。
｢…ごめん、悪く言い過ぎた。今までの嫉妬が全部出てきた｣
｢わかってる。気にすんな。俺も悪いから｣




それから彼女との距離は開いてしまった。
その3週間後には、俺の方から別れを告げた。

｢ごめん、｣
自分で発した言葉に、自分で傷ついた。








…






｢なるほどな、｣

3人とも快く聞いてくれた。途中から何故か同じクラスの女子達も混ざってたけど。

｢こいつがメガネ外そうとしない理由もここにあるんだ。外したら何か失う気がして なんて言ってさ｣
響が言う。まあそんなことは前に言ったけど。


｢友梨って桜高ではモテるみたいだけど確か高校入ってからの告白全て断ってるみたい｣
横から詩菜も入ってくる。こいつも同じ中学の奴の1人。

｢恋愛に恐れてるのか、洵太のこと想ってるのか、どちらかだよね。あんたもいい彼女持ってたんだな〜｣
詩菜がそう言うと、響も続けて
｢こいつにしては、な。｣
と言う。



高校生になってからちらほら見かけることもなくなった。連絡先持ってるだけで、特に何も連絡とかしてない。響がたまにパート会で会ってその話を聞く程度。

｢1度惚れた女って、本当に忘れられないんだよな。俺もそうだ。｣
｢そっか、晃斗も…｣ 
｢うん。でも俺は頻繁に会ってるけどね。付き合ってないだけで。洵太も会ってみたら？｣

い、いやいやいや。
まさかそう来るとは。

｢いいんじゃない、友梨なら俺からでも連絡できるし｣
｢いやまって、話が早い｣
｢照れんなって。会いたいとか思ってんだろ本当は｣

と、言われれば何も言えなくなった。宗吾に｢図星かよ｣と言われて笑われたけど。




｢まあ、いつか、やり直せたらいいよな…｣



｢なんかこいつほざきやがったし｣
｢あれ、洵太のほうから振ったんじゃなかったっけ？？｣
…響と詩菜はうるさいなぁ。



やっぱり俺は 君にしか恋できないのかもしれない。


君以外、誰1人好きになったことがない。






 ]]>
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		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2016-02-16T22:05:22+09:00</dc:date>
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		<title>彼女と彼女</title>

		<description>(笹倉翔真)






｢翔真って恋愛し…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ (笹倉翔真)






｢翔真って恋愛したことなさそう｣

これはよく言われる。人見知りがない性格だが、おっとりしてる雰囲気からそう言われる。

だが実は好きな人はいる。これは知ってる人は知ってる。他校出身のやつで知ってる人は…貴斗には前に話したから知ってるよね。でもその恋の発端も中学時代の元カノのことからなのだ。


先週、俺のほうから告白して付き合うことができた…夏純。みんなには すみちゃんと呼ばれてて、俺はあいつをすみと呼んでいる。女子ソフトテニス部の部長だ。ちなみに俺は男子ソフトテニス部の部長。

まだ他の人には言ってない。わざと隠すわけではなく、わざわざ言う必要がないと思った。まあいろいろ世話んなったやつに言ったぐらいか。自然と周りが知ってけばいいか、って。

それはさておき。

好きになったきっかけといえば、関連してくるのは中学の時に付き合ってた子だ。今はもう亡き…莉愛。中2の1月から中3の4月まで付き合ってた彼女は、亡くなったのだ。

あの時は、泣けなかった。でも衝撃と悔いも沢山あった。でも、そんな時に支えてくれたのがすみだ。







｢あの日から3年か〜｣

朝、一緒に登校していて、すみが話題を振ってきた。

｢もう3年か…｣

3年。あっという間に時は過ぎていく。
丁度３年前のこの日だ。











3年前の今日、部活を終えたと同時にすみがこちらにやってきた。

｢翔真、よく聞いて｣

それも、深刻な顔で。

｢莉愛が死んだ｣


呆然となった。
周りにいた人たちも、そして莉愛も所属していた女子ソフトテニス部の部員も、唖然としていた。泣き出す後輩もいる。



｢…一緒に行こ、莉愛のところへ。本当のお別れをしに。｣

すみにそう言われ、病院まで付いていく。




｢本当に……｣

冷たくなった、2度と温まることはない手を握った。








その帰り。


｢…正直、泣けなかったよね。悲しすぎて。｣

そう話題を出してくる。
そう、俺もすみも泣くことはなかった。

｢後悔もたくさんある。もっと時間を大切にすれば良かったって。すみも入れた3人で一緒に西星行こって約束したのにな｣

さっきまで全然泣けなかったのに、急に涙が出てくる。

｢うぅ…｣

｢…たくさん泣きな。私の元で良ければ｣

すみの元でたくさん泣いた。話も聞いてくれた。












莉愛の命日の日には、すみと2人で莉愛の家に行くのが恒例。莉愛の兄の大輔くんはいつもこの日には部活を休んでまで俺らを迎えてくれる。今日も大学での練習を休んで待っててくれていた。


｢毎年、ありがとうね。きっと莉愛も喜んでるよ｣

花を添え、俺らは莉愛の部屋へ移動した。




｢晟一が言ってたんだけど、お前ら２人付き合ったんだってな｣

｢そうです。｣

たしか大輔くんは晟一のお姉さんの美紅ちゃんと付き合ってたことがあるから、晟一とも親しいっけ。


｢莉愛が亡くなる前にね、莉愛はこう言ってた。
もし翔真が他の人を好きになるとしても、すみちゃん以外は私は許せないと思う って｣

莉愛の大親友は、すみだった。そして俺も含め3人でよく一緒にいた。一緒に西星行って西星でテニスしようねって約束した。俺とすみは約束は守れても、莉愛は守れることすらできない。

中2の3月のはじめに莉愛の身体の調子がおかしくなって入院したが、退院してすぐに道端で倒れてしまった。それが3年前の今日のことだ。






たくさん大輔くんから話を聞いて、莉愛の家を出た。



｢私の本心を言うとね、翔真が莉愛と付き合ってた時から翔真のことが好きだった。でも二人とも大切だから、その想いは密かにしていただけ。｣

俺の目の前にやって来て、目線を合わせてくる。

｢想いは、昔から変わらない。私は翔真が大好きです。｣

そう言い、にこっとしたあとすみは照れる。
可愛くて思わず、抱きしめる。


｢俺も。すみが好きだ。｣













｢ていうかさ〜、翔真はいつからすみちゃんのこと好きになったわけ？｣

たまたま朝練の体育館で会った晟一に聞かれる。

｢いつだろうね。でも、支えてくれてた時じゃないかな｣
｢莉愛のこと吹っ切れたのはいつよ｣
｢わりとすぐ。まあ、すみのこと好きになったのはそのことからだから、さ｣
｢自分の想いをずっと隠すのは、お互い様か。でも頑張れよ｣
｢ありがとう、晟一｣


晟一も中学ではクラスが同じだったから、支えてくれてた中の1人。他にも成や恵介には世話んなった。

今は、すみ…夏純との恋を頑張る。一緒にいれる時間を大切に、過ごしていきたい。そして最後まで２人幸せでいれますように。 ]]>
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		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2016-02-07T20:54:37+09:00</dc:date>
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		<title>かくしごと</title>

		<description>
(鈴木晃斗)




俺には罪は大きい…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 
(鈴木晃斗)




俺には罪は大きい。俺が全て彼から取ったんだから。



4ヶ月ほど付き合ってた同じクラスの優恵と別れてから3ヶ月がたとうとしている。そして高校入学してから1年がたった。昨年お世話になった上級生は卒業し、そして後輩が入学してきた。

1年って早い。何も言えずに、何も出来ずに過ぎてゆくんだから。





誠人。君には言わなきゃいけないことがある。







そんなことでもやもやしたまま、俺はいとこの柊生と会う。柊生は今年桜高に、吹奏楽部の部活推薦で入学した。小学生時代は誠人や瑛里愛と同じで、瑛里愛とは同じスクールバンドに入っていたのもあり、このこと全て知ってる数少ない人だ。


｢馬鹿だね〜あっきーも｣
呆れながら言われる。

｢だからあっきーって呼ぶのはやめろ｣
｢いいじゃん？それよりも早く言わねえからこうなるんだよ｣
｢別に誠人は瑛里愛のこと話そうとしないし、このままでもいいんだけどね…｣

そうなんだ。誠人は高校入ってから自分から瑛里愛の話題は出さない。だからとはいえ瑛里愛と俺が

…付き合っていた

この事実は誠人本人はまだ知らない。

たまに航などが瑛里愛の名前を出すけど、果たして航はこのことを知っているのか。




｢そーいえばあっきーは別れてから瑛里愛先輩とは会ってるの？｣
｢会ってねーよ｣
｢会ってみたら？？たまにはさ｣

２年半も連絡を取ってない、瑛里愛の連絡先を見る。
この連絡先は変わっていないのかな。






その日の夜、電話をかけてみる。

電話は… 繋がった。






｢ねえ、晃斗だよね…？｣
ちゃんと、彼女の声だ。
心の中で少し感動してしまい、しばらく黙ってしまった。

｢ねえ、返事し｣｢そうだよ｣

彼女の声を遮るように返事をする。


｢会いたい｣
｢今から？｣
｢うん｣

現在時刻、20時。
まだまだ時間はある。

両親は共働きで週末は夜遅くまでいないし。いっか。

｢俺んち来て。お前の家まで迎えに行くから｣

そう言って俺は電話を切った。







 懐かしい、でも変わってない風景。
久しぶりに通るこの道はとても素敵だ。


｢来たよ｣

瑛里愛の家のインターホンを鳴らす。

｢本当に来たのね｣
そう言われてドアが開く。



歩きながら、色んな話をした。
部活のこと、高校のこと。
瑛里愛は小学生時代から吹奏楽部に入っていて、パーカッション…打楽器をやっている。小4まではトランペットだったが、人数の関係で変わったみたい。
そして東商の情報処理科だという。航が受けて落ちたところだっけ。航の名前を出したら、｢航！懐かしい！｣と、過去の航の話までしてくれた。なんか、昔はぜんぜん勉強出来なかったみたい。

｢でさ、航にはさ、言っておいたほうがいいのかな｣
｢何を？｣
｢俺らが付き合ってたこと｣

問題はそこだ。

｢いいんじゃない、航なら。｣
｢…誠人は？｣
｢…なんで｣
｢同じ商業科なんだよ。｣

瑛里愛は唖然とする。

その後、瑛里愛は俺の袖を掴み、腕に顔をくっつける。
｢お願いだから誠人にはバレるまで言わないで｣
｢わかってるよ｣

俺は瑛里愛の頭を撫でた。



そうこうしていると、家に着く。


手を繋ぎながら、家の階段に登り俺の部屋へ向かう。
なんだか、懐かしい感覚。

｢今なら甘えていいよ。応えるから。｣
部屋に入り、俺はそう言うと早速くっついてきた。


しばらくくっついていたがそれはだんだんキスに変わっていく。

久しぶりの感触。君の隣にいるのはやはりとても気持ちの良い。さすが、自ら惚れた人だ。俺の虜にしてしまう。



この日はずっと触れていた。あの頃のことを思い出す。なぜに簡単に手放せることができたんだろうか。今では有り得ない。


｢やっぱ好きなのは瑛里愛だ…｣
俺がそう言いながら深いキスをする。

｢私も。久しぶりなのに、すっごい落ち着く。また晃斗に触れていたい｣
｢可愛いこと言うじゃん、お前、俺以外に付き合ったことは｣
｢ないよ。晃斗は｣
｢あるよ。中3と、高1。｣

まあ、どちらも3ヶ月もたないで終わったが。
優恵に関しては、俺が一方的に振っただけだし。

やはり本当に恋心があるのは瑛里愛だけだ。瑛里愛も、俺のこと好きでいてくれている。

…だが、きっと瑛里愛の前にもう一度誠人が現れたら、それは一転するだろう。前の好きな人のことを想うのは、簡単とも言えるしな。俺だってそうだ。瑛里愛のこと。





この日はこれで行為を終わらせたが、別の日に会うとそれ以上になっていく。ついには性行為。でも互いに受け入れられる存在だからこそ。これが１年半も続くとは、思いもしなかった。








そして、いい加減、航には説明しないといけない。

共通の知り合いでよく話せるのは航しかいないから、話したほうが俺自身も楽になるだろう。



話すと、航も最初はびっくりしていたが、受け入れて話も聞いてくれた。やっぱりこいつはいい奴だ。さすがモテるだけあるし、こいつみたいな奴が彼女とも長く続くんだな。



｢誠人は他人には前向き思考な発言してるくせに、自分のことになると後ずさりしちゃうから、誠人が気づくかそれか瑛里愛の話を自分からするようになってから言った方がいいんじゃないか｣

｢そうだよね。｣

｢そして瑛里愛もそう言ったんなら尚更。誠人には悪い隠し事だけど、しょうがない。｣


でも、いつ気づかれても、俺と瑛里愛は別れているのに行為をしている、という事実は変わらないどころか、止められない。



何もかも、全ては俺が悪い。
直接ではないが、誠人から瑛里愛をとったような立場だから。そのくせして自分がやっている行動も全て、誠人に対しては非常に悪いことだから。 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2016-02-07T20:54:09+09:00</dc:date>
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		<title>おひさま</title>

		<description>
(中浦貴斗)

この4ヶ月で学んだことは…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 
(中浦貴斗)

この4ヶ月で学んだことはたくさんある。


やっぱり貴女は俺の隣にいなければいけない存在。
今まで以上に日菜子に絡んでない。マネージャーとプレイヤーってだけの関係だ。そりゃそうだ。別れたんだもん。

そもそもなんで別れたのかっていうと話は4ヶ月前に遡る。






｢日菜子が二股している｣
という噂が流れたからだ。


別れを決断したのはあいつだ。
決して噂から逃げたとかではない。
俺の発言が日菜子からの俺への信用性をなくしたから。

話の発端は商業科の性悪女たち。

日菜子は中学の時から比較的に女子には好かれてない。その理由の一つに俺もあるんだけど、男子とばかり喋っていて｢男好き｣って。
中学の時はあいつは吹奏楽部だったから多少男子はいるもほとんどが女子だったため、一応なんとかなった。未香やののちゃんたちのお陰とも言えるけど。




ｰｰｰｰｰｰ

4ヶ月前。

｢あのさ、

｢日菜子と透輝くんがキスしてた｣
｢これはもう二股だよ二股｣
｢さすがだよね、男好き。｣

…っていう会話が聞こえたんだよね、俺には。｣

俺が初めてその事を知ったのは隣のクラスの晟一から言われた言葉だった。

｢なにそれ｣
｢俺もよく知らん。碧葉に詳しく聞いてみる。それにしてもやっぱ商業科女子性格悪すぎ｣
｢商業科の女子が言ってたん？｣
｢そう。｣
｢でもまあ日菜子は元々商業科の中でも浮いてるみたいだからさ。｣
｢何がしたいんだろうねぇ、女子って｣

まだこの時はその話を本気にしてなかった俺ら。
でも後に知る。



｢貴斗くーん、ちょーっとこっち来てー？｣
昼休み、日菜子と同じクラスの女子数人に呼ばれる。
ああ、こえーや。なんでいちいち。

｢日菜子が二股してるの知ってる〜？｣
…やっぱその話か。
｢見たんだよね。保健室で特進科の透輝くんと日菜子がキスしてるとこ。面白くて写真撮っちゃった。あはは ｣
そういって写真を見せてくる。

｢ちなみにこの写真広まってるから〜｣
｢は？｣
俺はキレる。

｢別にキレなくても。もう遅い。学校中広まってるよ？｣
笑いながら女子たちは俺の前から消える。


…どういうことだよ。

確かに透輝があいつに好意持ってるのは何となく勘づいてた。でも何で。




部活の前に透輝と話すことにした。

｢…キスしたのは事実。あいつは悪くない。｣
｢でもお前のその行動が大きな事になってんだよ｣
｢ごめん｣ 
｢ごめんじゃ済まされねえよ！！｣
俺は透輝を思い切り殴った。

｢こっちの気も考えろや。｣

そういって透輝の元を去ると、目の前には日菜子が。

｢…透輝のこと殴ったんだって？｣
｢そうだけど日菜子に関係ねえよ｣
｢関係あるし。なんで殴ったの？｣
｢お前のことでだよ。｣
｢でもだからって殴る必要はないじゃん｣
｢何、透輝のことかばってんの？｣
｢そうじゃなくて、｣

｢いーよ、日菜子も結局俺より他の男がいいんだろ？｣ 
…この言葉が、いけなかったんだ。

｢何よそれ。……呆れた。…もういいよ。ひとつも分かってないじゃん｣

日菜子はそう言って俺の前から去った。








ｰｰｰｰｰｰ


｢…ていう訳ですよ｣
俺はその事柄を誠人先輩に話した。

｢あれから部活以外では本当に話してないんか？｣
先輩に聞かれる。
｢話してません。さすがにもう限界…｣
｢いつまでも一途で、いいね｣ 
｢そうですか…？｣
｢俺もね元カノとはいろいろね…あったからね。あと初恋の人とも｣
先輩は切ない顔をしている。

…俺の初恋は日菜子だ。中1で同じクラスになった時…俺の一目惚れだった。話すきっかけをつくってくれたのは小学校の時から親しかった未香で、あいつには本当に感謝してる。

｢より戻したいんか？貴斗は｣
｢まあ、はい…。｣
｢んじゃちゃんと話すればいいじゃん。俺ら引退するまでに言っちゃった方が気も楽じゃない？｣
｢そー、ですね。ってあと3週間しかないや｣
｢3週間もあるじゃん。ちゃんと自分の中で整理できる期間もあるし。｣
｢前向き思考なんですね、誠人先輩｣
｢まあね。でもいざとなったらだめだ。｣

この先輩も先輩で恋話聞くととても辛い恋をしている。俺ら以上に。俺も恋の悩みはよく誠人先輩に聞いていた。一番相談できる人。恋愛で何かあればすぐ先輩に言っていた。そんな先輩もあと少しで引退するし、正直同期の奴らは翔真ぐらいしか親しいやついないし。


｢とりあえず頑張れよ、貴斗。｣
誠人先輩は俺の背中に手を添え、俺の目を見て言って去っていった。



大丈夫。俺ならできる。
もう一度告白しよう。






とは決めたものの1週間が経過。
なかなかタイミングが掴めない。

｢タイミング作ってあげるか？貴斗がこのままじゃ俺も嫌だし｣
その様子を見た翔真がそういう。

｢ごめん、お願いしていい？｣
｢全然いいよ俺は。いいね、片想いって。してみたいや｣
｢…翔真もいつかいい恋愛できるさ｣
｢できたらいいな。｣

そう言ったあとに翔真は日菜子のことを呼びに言った。

｢今日の部活終わってから、食堂ね。まだ貴斗に会わせるとは言ってないから。｣
翔真はピースしながら言う。






まさかそこであんなことに遭うとは
この時はまだ思ってない。






部活終わり、翔真と一緒に食堂へ向かおうとすると、女子のでかい声が聞こえる。

｢もめごと〜？｣
翔真がそう言いながら食堂のドアを開けるとそこにいたのは日菜子たちだった。

｢あ、丁度いいところに貴斗くんのご登場〜｣
こいつらは…商業科の女子だ。
日菜子のことが嫌いな女子達。

｢貴斗くんもこんな男好きのどこが好きなの？？透輝くんとキスはしてるし、おまけに…｣
｢違う！それは違うの！｣
日菜子は泣きながら言う。

｢男とっかえひっかえ、貴斗くんも遊ばれてたんじゃない？｣
｢碧葉より全然日菜子のほうが最低じゃん。｣
｢こんなのと同じクラスとかやってらんねーよ｣
好き勝手、大声で言う女子たち。ほんとにうるせぇ。でも言ってることは正しいのか、違うのか、それがわからないから何も言えない。

たしかに、日菜子が男子と2人でいるところは俺もよく見る。ただでさえ商業科男子の3割が同じ部活。俺と関わってるから余計に俺の周りのヤツも日菜子に関わろうとしている。

｢助けて…本当に違うから…｣
日菜子は俺のところに来る。

｢嘘つけ。じゃあこれは何よ？｣
女子達の中でもリーダー的存在であろう人が、携帯を出して写真を見せた。

…義晴先輩だ。

｢だからそれは…｣
｢うるせーよ！！！｣
その横にいた背の高い女子はオレンジジュースを日菜子にぶっかける。

｢お前らそれはやりすぎだろ｣
翔真が言う。
｢うっせー、隣のクラスのやつのくせに入ってくんな｣
横にいた女子が翔真を殴る。

さすがにもう俺も見ていられなかった。




｢お前ら本当にいい加減にしろよ。｣
俺はそう言って近くの椅子を蹴る。

｢さっきから黙って聞いてたけどさ。前だってそうだ。いちいち証拠写真出して日菜子が悪人だって言いつけて。ふざけんな。そして何言われても俺が好きなのは日菜子だから。…変なことばっかしてなにしたい？とりあえずうるせえから黙れ。｣

｢は、オメェこそ黙れやブス。あたしはこいつが許せないの！！！｣

この中のリーダー的存在なこの人、たしか名前は崎元梨柚。今思い出した。この人はあっちゃんのことが好きだ。あっちゃんとは、日菜子の中学の時の元彼である華元充輝のことだ。

｢…あっちゃんのことか。｣
｢…なんで知ってるのよ｣
｢今思い出した。前に聞いたんだよあいつから｣

日菜子も｢え？｣と言う。
どうやら初耳だったのか。

｢そ、そうよあたしは…｣
｢でもだからってお前らがしたことは許せねえよ。…日菜子、翔真、行くぞ｣
俺は2人を引っ張った。

｢…貴斗、ありがとう。…義晴先輩とは何も無いからね｣
｢わかってるよ。どーせ義晴先輩の恋の悩み聞いてたんだろ？｣
｢…貴斗には何でも見通されてるね。…さすが貴斗だ｣
｢ありがとう。｣
｢惚れ直した。｣
｢…俺は元々惚れてる｣
｢ふふ。｣
｢…もう一度付き合ってって聞いたら？｣
｢もちろんいいよ。｣
｢…ありがとう。｣


｢…こっちもやっと一件落着か｣
翔真がそう言って俺らの元を去る。

｢あ、翔真いたの忘れてた｣
｢俺も｣
ははは、と俺らは笑う。

｢あいつに世話んなったし、今度あいつが恋に悩んでたら俺らも翔真の味方しないとな｣
｢それね。てか恋しなさそうだよね｣
｢もしもの話さ。｣




もう一度。
今度こそこの手を離さない。
一生かけて、愛すから。
 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2015-12-28T21:11:32+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
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	<item rdf:about="https://sakurabooks.novel.wox.cc/entry31.html">
		<link>https://sakurabooks.novel.wox.cc/entry31.html</link>
		
				
		<title>心の隅には</title>

		<description>

(小倉詩音)


別れて以来君のこと…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 

(小倉詩音)


別れて以来君のことは見なかった。
彼女は自ら俺と別れることを決意した
でもなんで彼女は別れを決意したのか
そこがまだわからない。

1ヶ月ぐらい前から俺にも彼女はいるが、やはりそこがモヤモヤしたまま。



｢あいつもお前も、中途半端なことしてるよな｣
巧にそう言われる。

｢そう？｣
｢だってあいつ晟一といろいろあったみたいだよ。お前と別れてから｣ 
｢巧、よく知ってんな｣
｢噂好きな先輩がいるんだよ、西星の吹奏楽部には｣

こいつ、今井巧は同じ中学で吹奏楽部だった。巧は中学からクラリネットを始めたがとても上手くて評判で、西星にも部活動推薦で入った。碧葉も西星の吹奏楽部だから、こいつのところに話はたくさん入ってくると。

晟一とは碧葉の幼馴染みの男子。俺も何でか昔から知ってる。晟一は昔から碧葉のことが好きだ。すぐ女子にべたべた触る人で、正直女関係してるとこいつのことは好きじゃない。



｢いいこと教えてあげる。｣
｢なに｣
｢詩音さ、今度のウインターで選抜メンバー演奏出るんだろ？｣
｢出るけど…｣
｢碧葉いるから。あ、ついでに蓮希先輩もいるし、和葉先輩が言うには紗英先輩もいるみたい｣

…まじですか。
これって桜高で行われる合同練習が来週から入るはず。
蓮希先輩と紗英先輩はともかく…。

そしてクリスマスの日はアンコンだ。まさか第二組曲のメンバーが全員揃うとは。っていうところだ。こうなれば西星には負けたくない。














とうとう合同練習の日になってしまった。

バスで桜高まで移動し、東商は3番目についた。先に南高と白商が着いていた。

｢パートごとに集まってもらうので、先にパート練習場所へ移動してくださーい！｣
和葉先輩たちが誘導している。

パーカッションは音楽室だ。

｢桜樺高校さんからはパーカッションいないんで、あとは西星高校さん2人が着いたらパート決めしたいので、何のパートをやりたいか決めててください｣
桜高の紗英先輩が言う。
昔からリーダーシップがあるお方だ。

俺は…鍵盤以外ならなんでもいいや。
鍵盤は苦手というか、ビブラフォンやマリンバは好きだけど、シロフォンとグロッケンは苦手だなぁ。碧葉はマリンバとグロッケンが好きで、よくマリンバの取り合いしてたのもいい思い出だ。



｢西星高校さんがつきましたー｣
紗英先輩が言う。




｢…え、詩音…？｣
やはり、碧葉はいた。

｢え、詩音もいんの？｣
横から蓮希先輩も入ってくる。

｢お久しぶりです、蓮希先輩。
…そして久しぶり、碧葉。｣
俺がそう言うと、ふたりは頷く。




曲は｢フニクリフニクラ狂詩曲｣。
様々なＣＭで使われていて有名な曲だ。

パート決めでは、俺はスネア担当になった。蓮希先輩はシンバル、碧葉は得意のグロッケン、紗英先輩はバスドラム。

｢じゃあパート確認するね。
ティンパニ、南高2年 下川寿葉 
スネア、東商1年 小倉詩音
シンバル、西星2年 野村蓮希
グロッケン、西星1年 市森碧葉
シロフォン、桜高2年 河野舞
ビブラフォン&マリンバ、桜高1年 池田晴香
チャイム、南高2年 落合怜央奈
タンバリン、白商1年 重森百菜
サスシン&wip、桜高2年 西村友梨
タムタム&トライアングル、白商2年 福井大輔

そしてバスドラムが私、桜高2年 星野紗英。
みんなあってる？｣

｢｢はい｣｣
全員が返事をし、紗英先輩が発言。

｢それじゃあ今日はパートの交流と練習だけで終わりだから、合奏は来週の日曜日。アンコンが終わった後ね。本番は1月の31日。期間はまだまだあるわ。頑張ろう！｣

全員が一斉に返事をする。





パートの練習と交流をいっぱいして、今日の練習は終了。

｢なーんかさ、このメンバー楽しいな｣
｢ほんとさ｣
｢ずっと練習してたいですよね｣
このように、男子3人も一致しまして。
白商の大輔先輩は元第一中の人みたい。蓮希先輩も塾同じだったみたいだし、小学生時代は碧葉と同じパートだったみたい。美紅先輩と付き合ったことがあるらしい大輔先輩は、晟一とも親しいみたいだから当然、あの事も知ってる。


｢…詩音、どうする？｣
片付けが終わった直後、蓮希先輩が話しかけてくる。話は巧から聞いた…というか、俺が教えてと言ったからだ。

｢どうって…あ、ああ。｣
俺もその事を忘れていた。
｢西星は現地解散なんだけどお前らは？｣
｢現地解散です。｣
｢じゃあ一緒に帰れよな。碧葉と｣
｢あー、はい…｣

蓮希先輩に背中を押された後、先輩はそれを碧葉に話しに行く。そして碧葉は俺のところへ。





  
｢なんか、久しぶり、こうやって2人で並んで歩くの｣
｢そりゃあな。｣

別れてからまともに話すのもはじめてだ。

｢…なんで碧葉はあの時、俺と別れようって言ったの？｣
今までずっともやもやしてたことだ。
聞くのも怖かった。
でも聞くしかない。

｢…詩音のことは好きだったよ。振った直後は未練ありすぎて、後悔してた。でも今となりゃいい答えだった。そしてあの時さ、お互いにさ、新しいこと見つけようって、言ったじゃん？覚えてる？｣
｢ああ、覚えてる｣
｢それだよ。｣

まさか、これが理由だったとは。

｢晟一が関わってるとも聞いたけど？｣
｢あ、ああ…。相談してもらって以来かな。べたべた触るようになって、最近ちょっと…｣
｢いいよ誤魔化さんくても。全部知ってる｣

俺が巧から聞いたことは、｢碧葉と晟一はセフレだ｣とのこと。あくまでも巧が聞いたのは学校で流れてる噂と先輩の話だと言ってた。晟一も碧葉も西星では全域に知られる存在だから。でも俺も美紅先輩から聞いてるし。

｢なんで知ってるの？｣
｢美紅先輩や巧から聞いた。｣
｢美紅ちゃんはともかくなんで巧？｣
｢噂好きの先輩から聞いたんだって。で、碧葉以外に西星いったの巧だけだから俺らのことも質問攻めされたんだって｣

そう言うと碧葉は納得する。


｢まあもう、終わった話だから、お互い気持ちよくいこう？！ね？！｣
碧葉は笑顔で言ってくる。

｢そーだな。俺も今の恋頑張るしか｣
｢え？彼女いるの？｣
｢ふっふーん。実はいるんだ｣
｢きも。｣
｢お前も早く彼氏できたらな｣
｢いつの話になるんだろーね。今が今だし｣
｢すぐできるって、頑張れば｣

ははは、と笑う。

中学の頃みたいに、普通に話すことができて嬉しい。
当時のことを思い出す。でも、もうあの日々には戻らない
俺も、今を精一杯、楽しむか…。

 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2015-12-28T21:10:02+09:00</dc:date>
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		<title>写楽の代</title>

		<description>
(野村康斗)

もうすぐで全国大会。終…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 
(野村康斗)

もうすぐで全国大会。終われば引退。
本来なら定期演奏会で引退だが、今年は全国大会が例年より少し遅いため、定期演奏会は9月に終わっている。

今年の自由曲は曲の冒頭にトランペットソロ。2人で吹くため、ソロは俺と零里。

2人でソロ練習をし、少し休憩をとった。

｢もうすぐで引退か～。｣
零里は外に向かって言う。

｢｢写楽｣の代 も、もうすぐ終わりだよ。やっぱり金賞とって気持ちよく終わりたいよね｣
こちらに向かって言ってきた。

｢零里と練習するのもあと少しか。｣
｢なんか切ないね｣
｢ほんとさ｣

この夏はお互い頑張ってきた。課題曲は比較的トランペットは目立たない…と思う。自由曲のソロを完璧にさせるために、って。顧問の先生は、｢何がなんでも自由曲で康斗にソロ吹かせるからな｣って去年の冬に俺に言ってきた。なぜ俺がソロ吹くとこだわるか。

｢写楽｣を選曲した理由は前に3年全員で聞きに行った。｢今年の二中ならできる｣と。
もっと聞けば、俺が入学する１年前…マインドスケープの代で本当はこの曲をやろうとしていたみたい。

去年の二中は木管…特にクラリネットが上手だった。巧先輩の超絶技巧は凄かった。他にもアルトサックスを吹いていた去年の部長、舞花先輩も。昨年の3年生は音色にこだわってる人が多かった。それにちなんで選んだ曲が昨年の自由曲｢フェドーラ｣だ。
俺は昨年は三年の先輩がいながらも1stを吹いた。先輩からの申し出と先生からの意見で。

一昨年はフルートの3年生と、兄ちゃんたちパーカッションが上手いのもあったが、合奏力がとても良い年だったため、｢大いなる約束の大地 チンギス・ハーン｣。全国まであと3点。自由曲は完璧だったものの課題曲のIV番が惜しかった。







本番2日前。
支部前や昨年の全国前の緊張感とは違い、メンバー全員がいい笑顔だ。

｢今日が最後の仕上げです。明日から名古屋に出発して本番は明後日の前半の部最後。みんなならいける。目指すは金賞のみ！頑張ろう！｣

部長でファゴットの菜摘が言い、メンバー全員は返事をした。

｢そして康斗、零里、真奈美。大丈夫、私たちならいける。最高のソロを吹く。響かせる。いいね？｣

｢｢｢はい！｣｣｣

やる気も充分。

…

｢ここでの練習は今日で本当の最後。あとは明日、ホテルでの練習と明後日の本番前のみ。二中ならできる。いい演奏をするんだよ！｣

先生がそう言い、返事をする。

｢あと、金管。…特に康斗と零里は思い切り吹くのは今日で最後な。本番前に口壊されても困るから。不安かもしれないけどこれが二中のやり方だから。吹きすぎないこと。｣

わかってるさ。

今までの練習は無駄にしない。
今年も全国で金賞とるため。







次の日は3時間目まで授業を受け、昼からバスで出発。夕方頃に名古屋へ着く予定だ。
ちなみにメンバーじゃない部員は明日の本番前に合流するためここにはいない。

バスに乗って少し経つと、和と沙也乃が立った。

｢実は、舞花先輩たちフェドーラの代と、蓮希先輩たちチンギスハーンの代の先輩方からメッセージ頂いたので、今から各パートリーダーに渡すのでパートリーダーはそれを読んで欲しいです。何人か書いてもらえなかった先輩もいるけど…｣
｢和がフェドーラの代の分、私がチンギスハーンの代の分を持ってるんで取りに来てください。｣
2人がそう言って、パートリーダーは取りに行った。

最初はフルートパートの陽和から。
｢まずはフルートからいくね。｣

ー

みんなならできる。
最高の演奏をするんだ。
そして絶対金賞取って帰ってきて！
   FL.佳弥乃

金賞！とるんだ！
  FL.&picc  千穂

今年は課題曲も完璧にするんだよ？
笑顔が絶えない皆なら
最高の演奏できるのよね？
  FL. 田口萌乃

｢次にダブルリードいくね。渓斗先輩のしかないや｣
菜摘が読み始める。

大好きな後輩たち。
いい音色を響かせろ！
 Fg 渓斗

｢次はクラ。学年ごとになってるや｣

私らが夢見てた舞台に2度も乗れる 
1度も乗れなかった私たちを越えている
今の二中なら金賞間違いなし！
がんばれ写楽の代！
 チンギスハーンの代    成実、麗香

君たちはすごい。
昨年の喜びも超えて見せろ。
 フェドーラの代Cl3年

｢サックスは4人の先輩からだね、｣
和が読み始める。

２年前の悔しさを一緒に感じた
あの時はまだ1年生だった君たち。
2年、3年になって2度も晴れ舞台に乗れる
そして2度目の全国金賞目指せ。
 A.Sax 峯 京汰

大丈夫！不安にならない！
信じてるよ！最高の演奏できることを！
 T.Sax 末松美紅

去年の同じ晴れ舞台
君らはもう一度乗れるんだね
そして私たちフェドーラの代を
超えて見せて。いや、きっと超えれるさ。
去年よりもいい笑顔してるもの。
 フェドーラの代部長  A.Sax 藤村舞花

今年はみんなが
二中を全国へ連れていった。
いい演奏期待してるよ！
 A&T.Sax  小宮涼貴

｢ホルンは里穂先輩と魁先輩からね。｣

みんなは選ばれた。
全国大会への切符を手にした。
目指すは金賞しかないよね？？
 Hr 半田里穂

とりあえず、楽しめ！喜べ！
いい演奏をしろ！
 Hr 塩田魁

｢お、っと次はトランペットの番か｣
トランペットには陣内先輩と美里先輩が書いてくれた。陣内先輩には沢山怒られた。
美里先輩とは1stのことでいろいろあったけど、とても誇れる先輩だ。

あんなにできなかった子たちが
私達よりもできるようになって
びっくりしてるよ。頑張れ！
 trumpet 陣内

今年は昨年以上に大変だったのかもね。
昨年は昨年、今年は今年。
今年の晴れ舞台へ経つのは今のみんな。
私達は応援しかできないけど
頑張って！
   trp 平岡美里

ありがとうございます。
先輩たちのためにも、頑張ります。

｢トロンボーン はチンギスハーンの時の先輩から頂きました。｣

他校の悔しさを背負ってここまで来たんなら
金賞しかとれるものはないよな？
 trb 平舘敬也

心に残る演奏をするんだよ！
写楽の代のみんなならできる！
 trombone 紗南

｢バスパートは3人の先輩からです｣

私たちと一緒に立てれたあの舞台
また、笑顔で帰ってくるんだよ
 Euph 茉莉乃

君たちならできる！
  tuba 武内

地区…県…いや、支部代表
僕達の周りの中学校代表として
胸を張って演奏するんだ！
  チンギスハーンの代副部長 bass 及川和葉

｢最後にパーカスから。なんと5人全員…｣ 
もう既に泣きそうな沙也乃が読み始める。

あの頃はただついてくだけの子だったのに
今では部活の中心となった3年生
そしてその3年生を支えた1、2年生
みんなの力を出し切れ！♪
大好きな二中の吹部、心から応援してる！
 Perc 星野紗英

ここに来るまでも大変だっただろう
でも全国大会という晴れ舞台は
とても楽しい時間だろうね
自分たちが君たちを連れていけなかった
この舞台に君たちは導いた
最高の演奏するしか ないよね？
 チンギスハーンの代部長Perc 野村蓮希

一緒に夢見て 一緒に夢叶えて
そして後輩の夢も叶えた3年生。
去年一緒に晴れ舞台で演奏した2年生。
それを影から見てきた1年生
みんな違うけど音楽は一つになる。
金賞とってまたあんな風に喜んでね。
  Perc  市森碧葉

全国大会に出るんだもん、
金賞以外ありえないよな？？
審査員、観客の心に残る
最高の演奏をすること。
 Perc 小倉詩音

一生の思い出。思い出の宝物。
吹奏楽コンクールの全国大会は
みんなにとって人生の中でいい経験の一つ
そしていい演奏をして、よりいい
思い出にしたら、最高だよね
 Perc 丸山穂香

｢…以上…です。｣
沙也乃が読み終えると、菜摘が発言する。
｢このように沢山の先輩たちが期待してます。金賞とるんだと。金賞しかありえないと。
これを聞いたら金賞しかありえないよね？そしていい演奏を響かせたいよね。明日は頑張ろう！ ｣

バスの中全員が返事をした。








全国大会のステージに立つのは2度目。
2度目の金賞を目指していざ

桜第二中吹奏楽部は全国大会のステージへ立つ。

課題曲が終わり、自由曲の演奏。
零里のほうを向くと、真っ直ぐな瞳でこちらを向いていた。

《頑張ろう》

～♩

彼と彼女の音は会場を魅了させた。

～♩♩

12分間の演奏が終わった。
あっという間だった。
楽しかった。









｢康斗！零里！ソロめっっちゃくちゃ良かったよ！！！｣

その声は…

｢｢美里先輩！？｣｣

去年の3年生、美里先輩だった。

｢美里先輩泣かないでくださいよ～｣
｢いや、泣くよ。康斗も本当に上手くなったね。…あの時康斗に1stの座進めてて良かったわ｣
｢あ、いや、それは…｣
｢私も今じゃ続けてないしね。西星の吹部、特進科の人入れないから｣

美里先輩は部活辞めるかまで考えてた先輩だ。進路のことで悩んで、それでも乗り越えて昨年俺らと一緒にこのステージへ出ることができたんだ。

この日は美里先輩の他にも、フェドーラの代だと碧葉先輩と巧先輩と魁先輩に萌乃先輩、穂香先輩が、チンギスハーンの代だと美紅先輩と紗南先輩、京汰先輩に兄ちゃんの、10人が来てくれていた。先生が今までのお礼だ、と言い事前にチケットを買っていたらしい。





結果発表の時間になり、会場入り。
部長と副部長は先に言ってたが、
打楽器積込みもギリギリだったため、
既に何校かが発表されていた。

｢出演順15番 ○○支部代表 桜市立桜第二中学校

…ゴールド金賞｣

｢｢｢きゃああああああああああ！！｣｣｣

｢金賞！金賞だってぇ！｣
横にいた真奈美が大号泣しながら言う
｢良かったな。一安心｣





会場の外へ行くと部長の菜摘が待っていた。

｢審査表を読ませてもらったけど、課題曲では特に打楽器が良かったとのこと。そして自由曲、トランペットソロがとても良かった。会場全体に響いていた。と書かれてました。｣
菜摘が俺と零里のほうを見て言う。

｢そしてたまたま西星の先生が聴いてくださってたんですけど、今年の｢写楽｣は名演だとおっしゃってました。そして点数は昨年よりかなり上です。拍手！｣
パチパチ、全員拍手する。





｢写楽の代｣はここまでだ。

1年生の時は全国大会目前で敗退。あの悔しさは忘れない。先輩たちの頑張りもすごかった。見習わなければいけないところもたくさんあった。
2年生の時は全国大会金賞へ、先輩たちが導いた。昨年の3年生は仲良くて協調性ほある人がたくさん。そして部活意欲も高かった。

そして今年は
自分たちの力で上へ上へと目指した。
結果、その成果は発揮できた。

第二中吹奏楽部、写楽の代

大好きです。


 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2015-12-02T22:04:30+09:00</dc:date>
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		<title>部活人生の決心</title>

		<description>


(富本宗吾)

なんでこんな性格悪…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 


(富本宗吾)

なんでこんな性格悪い先輩と同じ高校に来たんだろ。中学であんな目に遭ってるのに。
ソフトテニスは好きだ。試合中は本気になれるし嫌なことも忘れられる。二つ上の先輩や同級生はいいメンバーばっかりだし、多分それがなかったら1日で辞めてたんだろうな。

｢宗吾もメンタル強いね。中学の時もさ｣
マネージャーの彩菜に言われた。
｢好きなことは辞めたくないからさ｣

できる限り部活は辞めたくなかった。
柊とか誠人とか、支えてくれる人も沢山いる。
彩菜もその中の１人。中学から同じで中学の時のこともよく知ってるからね。

中学入る前に引っ越して、本来は南聖中に通うはずが南が丘中に通うことになった。南聖のほうがテニス部は強いけど、南が丘もテニス部はあるし、柊と別のチームで試合してみたいっていうのもあったのかもしれない。


入って早々はまだ良かったんだけど、中1の夏の話だろうか。

｢宗吾って性格キモくね？｣
｢ほんとさー。女子たちもどこがいいんだろうねー｣

発端は1つ上の先輩だった。あまり関わりがない人だったがその日以来だんだんひどいものになっていく。それが学校中に広まった。





三年生の引退まではまだその程度だったんだけど、それからだ。
ここ2ヶ月ちょっとぐらい。
本格的ないじめになっている。
言葉で説明しちゃきりないぐらい今まで何やらされている。

この事を知ってる1年生は彩菜と商業科1年の部員ぐらい。でもこれをバラしたらどうなることやら。それが怖くて何も言えない。
商業科にいて女子のいじめや喧嘩も怖いなって思うけど、男子も男子で酷すぎると思う。俺は試合中が楽しければいいし、誠人たちもいるからいいんだけど、でもやっぱり辛いものだ。

他の先輩とかは見て見ぬフリとか。顧問の先生まで知れ渡っていないから続いている。顧問の先生は生徒指導部の先生でもあるからバレたら部活自体がどうなることか。ましてや西星のソフトテニス部は全国常連校。ここで問題を起こしたら西星高校の名に恥をかけてしまうことになる。








12月の初めの部活。
この日は本当に部活を辞める決心をした日。

｢宗吾！！！｣
英検の補習で放課後に居残りしてたら、慌てて玄太がやってきた。

｢今すぐ来い。大変なことになってる｣
｢…大変なことって？｣
｢沼澤コーチにバレた。先輩とお前のこと｣
…とうとうこの日が来たか。
コーチにバレたら当然顧問のほうにもバレるってことだ。

｢さっき2年生とコーチだけでミーティングしてて、何も知らずに部室入ろうとした義晴と柊が話聞こえてたんだって。｣
｢今もやってる？｣
｢多分。俺まだ言ってないから分かんないけど一応行ったほうがいい｣
｢らじゃ。｣

玄太と一緒に急いで部室に行った。

その場にいた1年生数人と一緒に部室に入ると、コーチが俺のことを呼んだ。

｢宗吾はどんな気持ちだ｣
コーチが俺の目の前にやってきた。

｢別に俺は特に…。｣
｢でもいじめ受けてたんだろ？｣
｢そーですけど…複雑すぎて答えられません｣
｢それほど追い詰められてたってことだな｣
｢…はい｣

話を聞いてたマネージャーの詩央先輩が俺の前に来た。

｢浦元と小野寺以外にも、いじめを見て見ぬふりしていた2年生皆が悪い。本当にごめんなさい｣

｢今日の部活はなくなった。というか今日は停部になった。試合も迫ってきてるしもうこんなことしてる時間はないんだ。｣

コーチはそう言って出ていった。
その後を応用にほかの部員が部室を去っていく。

残ったのは先輩2人と、1年生数人だけ。

口を開いたのは彩菜だった。

｢何を目的で宗吾のこといじめてたんですか？中学の時からずっと｣

｢…俺が団体のメンバー外れた時だ。｣
浦元先輩はそう答える。

｢変な噂流したのも先輩たち。いじめたのも先輩たち。何年し続けても気が済まなかったんですか？宗吾はこの4年間どんな気持ちで過ごしてきたか分かります？｣
彩菜は完璧にキレてる。

その横で小野寺先輩が大声で俺に向かって言った。

｢何をされても富本だけは許せない。なんで俺もお前も西星に来たんだ。お前さえいなけりゃ！！！お前がいるからこんなにも思い通りにいかねえんだ！！さっさと俺の前から消えろ！！！｣


この一言で俺はある決心をした。
何が何でも、この言葉で。





先輩たちが帰った後、残りは1年生の1部…彩菜と義晴と玄太と柊だけになった。

｢俺、部活辞める｣
皆に言った。
｢…別にさっきのことは気にすることじゃ…｣
柊が止める。

｢前々から悩んでた。でもさっきので決心した。…明日先生のとこ言って退部するって言ってくる。…今までありがとう。｣
そう言い残して部室を出た。

｢宗吾！｣
義晴が大声で俺のことを呼んでるが、あえてスルーした。

ごめんな、皆。
今まで、ありがとう。







｢…話は沼澤コーチに聞いてる。お前の決断なら俺は口出ししないけど富本自身は辞めて後悔しない？｣
次の日、退部のことを話に行くと先生に言われる。

｢はい。自分で決めたことです。今までありがとうございました。｣
｢わかった。ご苦労さんだった。｣

そう言われて俺は職員室を出た。

｢本当に、辞めたんだ｣
玄太がやってきた。
｢うん。本当にごめんな。玄太には世話になってばっかだった｣
｢それは全然いいよ。でも宗吾が部活を辞めるのが一番嫌だな｣
｢ありがと。でももう辞めたから、今日からは部活には行かない。｣
｢…だよな。｣
｢部活推薦だったら辞めれなかったかなって。｣
｢あれ、宗吾推薦じゃないんだ｣
｢最初部活続ける気なかったし。｣

西星でソフトテニス部に入るきっかけというのはこいつらだ。元々仲の良かった柊をはじめ、玄太や誠人などと親しくなり、一緒に部活入ろうと言われて入った。部活入っていたことには後悔してない。むしろ楽しかった。
他にもマネージャーの彩菜とか小学校同じの義晴とか、支えてくれた人はいっぱいいた。

こいつらには感謝しかない。
そしてこれからの大会も頑張って欲しい。

部活にいて、俺はあまりいい結果残せてないまま退部するけど、他の人たちにはいい結果を残して欲しい。目標である全国大会での団体優勝。達成してほしい。俺は部活を辞めてからも陰ながらソフトテニス部を応援するよ。



俺の部活人生はここで、幕を閉じた。



 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2015-11-19T22:17:22+09:00</dc:date>
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		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
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	<item rdf:about="https://sakurabooks.novel.wox.cc/entry28.html">
		<link>https://sakurabooks.novel.wox.cc/entry28.html</link>
		
				
		<title>good bye</title>

		<description>(西森誠人)

航や柊とかの恋バナ聞いて…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ (西森誠人)

航や柊とかの恋バナ聞いてると、やっぱ恋愛っていいなって思う。でも恋をするのが怖い。
恋愛に関しては傷ついてばっかだ。瑛里愛のことでもそうだ。
そして問題はこっち。中3の時の傷は消えない。３年経った今でも全然消えない。


｢まあ、あれはね、さすがに傷しか残んないね｣
航は中学同じだし、あのことに関してはよく相談した1人だ。昔から頼れる友達。小中高と学校同じで、高校では学科も同じ。中学の1年生以外は同じクラスだったしさ。
｢ほんとさ。今はもう全然好きじゃねーのに傷は消えねえんだなって｣
｢それほど好きだったってことだよ｣
｢まあな。でも新しい恋もしたいなーって｣
｢瑛里愛は？｣
｢はぁー。何でそこでその名前を出すの｣

瑛里愛とは小学生時代の同級生だ。中学校は違ったけど仲良かったやつで、こいつこそ俺の初恋。成実は小学校違うからこいつのことは知らないだろう。
当時にはこいつにお世話になりすぎた。航以外にも、和葉とか蓮希とか玲斗とか。
あとクラスは違ったけど家近い敬也にも世話になったなぁって。あの件では。

｢でも航たち見てると羨ましくなるもんだ｣
｢…ごめんななんか。なんか俺らってみんな中3で恋愛経験してるなって｣
｢お前もね。あと蓮希もだろ。玲斗…もそうだっけ。和葉だけだよね何もしてねえの｣
｢まーね。蓮希も似たような境遇に遭ったからね｣



…俺らが何の話をしてるかっていうと、俺の元カノのこと。

俺は中3の時同じクラスになった成実のことが好きだった。片想いのままでも良かったんだけど何やら、いとこでもある千穂が部活の時に喋ってたら口すべって成実にも伝わって。

その次の日にその話題がクラス中に広まったのをきっかけに俺が呼び出して告白して付き合ったんだけど。

11月だろうか。
成実と同じ吹奏楽部であり同じクラスの京汰が成実に手を出してそれに成実も応えたと。

それもすぐに噂になって呼び出したんだけど、
あまりにも腹たって別れを告げたんだけど。
あ、そうって感じであっさり別れた。



｢なーんの話してんだー？｣
後ろから蓮希がやってきた。
今は放課後。たしか同じクラスの沙月は吹奏楽部は部活がないって喜んでた気がする。

｢いやそのさ、中3の時の誠人たちの話｣
航がそう言う。
｢あーあれだ！俺京汰のことぶん殴ったやつだ｣
｢んなことあったな｣

そう。その件に対して蓮希はガチ切れしていた。信頼していた京汰が、友達の彼女を取ったんだからって。蓮希は教室で京汰のことぶん殴っていたけど、京汰は公立の桜樺高校の推薦がかかっていたため何も反抗もできなかった。

｢俺も新しい恋したいなーって｣
｢蓮希は美穂はもういいんか？｣
｢実はもう1度やり直さないかって話になってる｣
｢いつの間に。俺は何も。｣
｢そりゃあ、あれだとね。｣

むしろこの事ではよく分からないまま終わったから、俺も何も思えない。違う終わり方だったら未練あったりしそうだけど、かなりあっさりしてたから。






それから数日、夏休みも近づいてる時。

弟の拓馬が

｢…陽和の姉ちゃん…成実さんが、１回誠人と話したいんだって。｣

と俺に言ってきた。

｢…なんで｣
｢俺に聞かれても。本人に聞きな｣
｢連絡先持ってねえよ｣
｢千穂ちゃんに聞け、だってさ｣
｢あー、はい｣

早速、千穂に連絡し、成実の連絡先を教えてもらった。お互い部活が終わったあとの明日の夜に会うことになった。 





成実の家の近くの公園で、夜の8時に待ち合わせ。
6時半に部活終わるらしくて。互いに全国レベルの部活に入ってるから。俺は西星のソフトテニス部だし成実は桜高の吹奏楽部だし。何せ明日の土曜日はコンクールだっていうからこそこの日がいいと言われた。



｢…久しぶり｣

後ろから成実がやってきた。

｢あれから考えてた。あの時の自分馬鹿だったなって。なんであの時は前の男に心揺られたんだ。今更後悔ってやつだよ。あの時誠人だけを見ることがちゃんとできたら…｣
泣きそうな顔をして語っている。

｢いいよ、そんな｣
｢良くないよ！罪悪感しかないもの。全て私が悪い。今更だけど…本当にごめんなさい、あの時は…。｣

俺は何も言えなくなった。
泣いている彼女はとても綺麗に見えた。

そんな彼女を抱きしめる。

｢俺はあの日からもう恋なんかしないって決めた。傷は残ったままだ。｣

あの時の傷が未だに消えない俺は、この件を思い出す度に涙が出てくる。もう好きとかじゃなくなったのに、何でなんだろうか。

｢…和葉たちにも聞いたよ。聞く度に心が痛む。何年経っても傷は消えない。その傷を誠人にも私にもにつけたのは自分なのに｣

こいつに会えたら1番聞きたいことがあった。

｢あの時は俺のこと…好きだった？｣
｢正直言うと当時はまだ。｣
｢…当時はまだ？｣

｢失ってから気付いた。やっぱり私が好きなのは誠人だって｣

成実の声がだんだん弱っていく。
突然のことすぎて頭が回らない。

｢つまりは俺のこと好きだったってことだよね｣
｢うん。だから。罪悪感しかなかったの｣
｢…なるほどね｣ 

俺も今初めてこいつの理解した部分が沢山ある。人っていうのは他人の全てを知ることができない。だからお互いにすれ違うことも多いんだ。

｢でも、何がどうであれ、この話は３年前に既に終わった話。今頃付き合ってとかは言えねえけど、最後に成実にキスしたい。今。｣

成実は目を一瞬閉じた後、笑顔で
｢いいよ、｣
と言った。

さよなら、二度目の恋。

やっぱり君のことを好きになって良かった。
後悔なんてするわけないさ。
こんなにも想ってくれた君が。
でもその想いに俺も気づかなかった。
君も俺を失うまで気づかなかった。
あと1歩違えば、今も幸せな２人だったのだろう。
でももう終わった話だ。

新しい恋が、できるといいな。

俺も、成実も。


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		<dc:date>2015-11-19T22:15:20+09:00</dc:date>
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		<title>隣の彼は大切な人</title>

		<description>


(北川日菜子)

｢ひーなこ、｣
｢わ…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 


(北川日菜子)

｢ひーなこ、｣
｢わ！｣

貴斗が私のことをくすぐってきた。

｢ほんっとあんたはさー｣

貴斗は西星の工業科であり、ソフトテニス部。中学時代は３年間同じクラスで1番親しい男子。急にエロいこととか言うからまあそこら辺の男子と変わらんし。

中学3年間吹奏楽部だった私にソフトテニス部のマネージャーを勧めてきたのは貴斗だった。貴斗は 部活推薦で西星へ。私は白商落ちて西星へ来たんだけど、いつでも支えてくれたのは貴斗。中学の時からいつでも隣にいる彼。｢付き合ってるの？｣っていろんな人に言われるぐらいだ。

｢そんなことしてるからいつも皆に彼氏って間違えられんだって何回言ったらわかる？｣
｢あーはいはい。別にいいだろ｣
｢わかってないな｣
｢うるせーなー。さすがあっちゃんの元カノ｣
｢その話は触れるなって言ったじゃーん？さすが智恵ちゃんの元彼氏｣
｢だまれ｣

お互いがお互い中学時代付き合ってる人がいた。
私の元彼は貴斗とも仲良かった充輝ってやつ。中1の冬から中2の夏まで付き合ってた。みんなにあっちゃんて呼ばれてる彼は現在は桜樺高校のバスケ部だ。

一方貴斗の元カノの智恵ちゃんは吹奏楽部時代のクラリネットの後輩だったが、かなりの男好きで中2の冬に2ヶ月だけつきあってた。たしか志望校は共栄だから、もう貴斗や私と会うことはないだろう。

少し話し、別れ際に、小さな声でこう言われた。

｢でも俺も…カレカノと間違えられるのは…嫌じゃない｣

｢ん？｣
｢なんでもねーよ。んじゃ！｣

私の中で何かがひっかかった。







｢それ絶対、日菜子のこと好きだってことだよ｣
次の日の簿記の時間、碧葉と玲来と佳奈穂にこのことを話したら、玲来に言われる。

｢貴斗くんねー。工業科の3組だよね。会う度に喋ってない？日菜子たち｣
佳奈穂に言われる。
｢べ、別に…私も本当は間違えられるの嫌じゃないけどさ…｣
顔真っ赤にして私は言った。

｢日菜子顔真っ赤！｣
碧葉がニヤニヤしながら言う。

そしたら後ろから隣のクラスのソフトテニス部の翔真が話しかけてきた。簿記はクラス関係なくやっているんだけど、そーいえば翔真が後ろにいたの忘れていた。

｢くっついたほうがいいと思うけどねー。今のお前らなら｣
｢ほらー、同じ部活の翔真が言ってるんだよ！｣
｢碧葉うるさい。そっちこそ柊先輩といい感じじゃん｣
｢まー、恋愛対象としてはまだ見れないけどね、うん｣
碧葉が今誤魔化したけど、まさに私もこれ…なのかもしれなくもない。好きかと聞かれる以前にまだ見れないのかもしれない。でも…やっぱ見れるのかもしれない。

｢相手も貴斗だしさ、きっといけるって｣
｢そっ…かな。｣ 
｢うん。今でも普通にカレカノに見えるけどな。貴斗もべったりだし｣
｢そーだよね…。よく触ってくるもん中学の時から｣
｢一歩間違えたらただのセクハラだけどな｣
｢ほんとそれさ。｣

本当にセクハラかって言いたいぐらいだ。







それから数日後だった。出来事があったのは。

部活が終わり、玄関にて。

｢一緒に帰んねえ？｣
と貴斗に言われた。
｢いいよ、｣
そう返すとすぐに行くぞ、と言われて2人で歩いた。



普段なら世間話しかしてないけど、今日は何も喋らない。


｢そーいえばさ、聞きたいことあるんだけど｣

ずっと黙ってるのも嫌だったから私から話をした。

｢何？｣
｢この前のさ、その…カレカノと間違えられるの嫌じゃないって言葉…｣
｢ああ…聞こえちゃってたか？｣
｢小さくだけど聞こえたよ｣

そうして貴斗は止まった後、私の目の前に来た。



｢日菜子が好きってことだよ｣

貴斗の目がまっすぐこちらを向いている。

｢お前じゃなきゃ駄目なんだ、俺には。ずっと傍にいてほしい。つまりは…俺と付き合ってください｣

私は少し目線を外し、黙った後に

｢…うん、よろしく。｣

貴斗に向けて笑顔でそう答えた。



｢じゃあ、いくぞ｣
貴斗は顔を赤らめながらも私の手を握った。






｢本当に、私で良かったの？｣
歩きながら貴斗に聞いた。

｢言ったろ。お前じゃなきゃ駄目なんだって。お前しかいねえんだよ、俺には。依存症になる日も近くはないな。いや。多分もうなってる。｣

貴斗は目線を私に合わせた後、キスをしてきた。

｢俺さ、長い間理性保てない人だからさ。いつ手を出すのか分からない。それでもいい？｣
｢いいよ。…貴斗だから｣
｢ありがと、日菜子｣

これからは君のことを愛します。
不器用だけど優しくて、いつでも側で支えてくれる君。
今日から私の、大切な人。 ]]>
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		<dc:date>2015-11-19T22:13:43+09:00</dc:date>
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		<title>とにかく君が好きなんだ</title>

		<description>

(橋本響)

いつのまにか彼女に惹か…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 

(橋本響)

いつのまにか彼女に惹かれていった。
彼女そのものに惹かれていった。

未香と付き合って3ヶ月がたった。俺は告白された側だし、最初はまあ、普通に中学のパートの後輩としてしか見れなかった…のかな？いや、そこらへんは曖昧。
でも付き合っていくうちにだんだんと彼女に惹かれていった。俺も彼女に惚れていった。愛おしくなった。恋愛ってこういうものなんだ、って思った。

元々、中学の時は同じ吹奏楽部でパーカッションパートだった。副部長も一緒にやってたし俺からしては後輩の中でも一番関わりあった。部活でもパートの同期の女子でさえ部活以外では話さなかったのに、未香は違う。
こんなに関わりを持たせてくれたのはほとんど航平先輩のお陰だけど、中学の時は恋愛とかしなかったどころか、できなかったから…。

そこらへんはまあ、口を閉じて…っと。

｢響先輩、｣
 
入ってる吹奏楽団の練習を終えて帰るとき、部活帰りの未香に会った。未香は春日高校の吹奏楽部で中学と変わらずパーカッション。

｢今部活帰り？｣
｢そう。響先輩は練習帰りなの？｣ 
｢うん。｣
｢響先輩、せっかく強豪西星高にいるのに吹部入らないってほんとに勿体ない｣
｢まだそれ言う？？同い年のパーカスの奴ら上手すぎるしさ、あの高峰詩菜もいるし入んなかった｣
｢響先輩、詩菜先輩のことほんとに嫌いだよね｣
｢同じクラスだけどなー。｣

詩菜は本当に無理。高校はクラス替えないからクラスずっと一緒だし、中学の時の件もあって耐えられない。あいつが白商落ちてなかったらいい話だったのにさ。

そもそも俺が西星来たのは商業系のとこ行けって言われてたからと、その中で一番近かったから。

｢これから時間あったりする？｣
俺は未香に聞いた。

｢時間あるよ。｣
｢よっしゃ。母さん彼氏の家連泊してるからいなくて暇なんだよね｣
｢え、じゃあ泊まりたい。金曜だしいいしょ？｣
｢いいよ。でも何するかわかんねえよ？｣
｢あ…はい｣

未香は突然固まった。

｢言いたいことわかってる？｣
｢…ま、まあ…もうそろそろとは思ってたから…｣
｢え、何。未香はそんなに俺とエ…｣
｢や、違うし！！｣
｢誤魔化しても無駄無駄。どーせやるんだし…｣
｢え、本気だったの｣
｢最初から本気だけど｣

もうそろそろ我慢の限界だったから。
こんなに可愛い彼女をちゃんと愛しきれてないって考えるとさ。

夜の11時ぐらい。今までリビングでテレビを見ていたが、未香は俺の部屋に向かった。それを俺は追ってった。

｢響先輩ってかなり積極的な人だったんだなって｣
｢物事は積極的にやるよ？｣
｢物事もそうだけど、私に対してさ｣
｢…好きだからに決まってんだろ｣
｢…ありがと。私もたまには積極的になるね｣

そう言ってキスをしてきた。
 
｢や…未香可愛すぎ｣
｢ありがとう。響先輩。｣
｢もうそろそろ先輩つけなくていーよ？呼び捨てがいい。｣
｢えー…｣
｢襲うよ？｣
｢元々そのつもりじゃん｣
｢そーだけどさー。ねえ？｣
｢まだ、いいですー。｣
｢んーじゃあ、｣  

ベッドへと押し倒した。

今までで最高な時間だった。
本当に大好きだ。愛してる。

｢…未香、愛してる｣
｢…ありがとう、…響。｣
｢やっと先輩とれた｣
｢えへへ｣

次の日、2人で歩いてたらたまたま中央中出身の西星吹部の人達に会った。部活帰りだろうか。…てことは3年生ながらまだ部活に残ってるらしい航平先輩と、あとは詩菜とののちゃんと実月か。

｢あれー！未香ちんと響先輩！｣
ののちゃんが気づく。
｢うっわ、ほんとだ！付き合ってんのかよやっぱり。未香はなんで響なのーこいつのどこがいーのー？｣
｢詩菜、やめなさい…｣
親みたいに航平先輩が詩菜を止める。
まあ、教室でも、未香可愛いのにもったいなさすぎるーとか俺の前で平然と言ってるからねこいつは。

｢それにしても未香ちんも可愛くなったよね…｣
実月が言う。
｢やっぱそれはその…恋の力ってやつ？｣
航平先輩も笑いながら言い、実月は返す。
｢航平先輩も人のこと言えないですよ！星菜と付き合ってからかっこよくなってっているし星菜も星菜で可愛くなっちゃって…｣

｢やっぱりみーちゃん変わらないね｣
未香が言った。

てか航平先輩って星菜と付き合ってるのか。
もしかしてたなばたの代のパーカスで遊んだ時に言ってた彼女って星菜のことか。

｢まあ、幸せにな！｣
航平先輩が俺らにそう言った。

｢航平先輩もですよ！｣
俺がそう返すと航平先輩は照れてた。

恋愛ってこんなに楽しい。辛いこともあるけど本当に素敵な時間を過ごせている。とにかくこいつが好きだ。

｢なんでさ、未香は響を選んだんだと思う？｣

昼休み、食堂でたまたま会った駿介先輩に聞かれる。

｢…何でなんでしょうね｣
｢あいつはな、響の様々な所に惚れてる。｣
｢例えば…？｣
｢熱心なところ、協力してくれるところ、ノリが良いところとかいっぱいあるけど、やっぱり一緒にいる時に見せてくれるかっこいいところ。だってさ｣
｢聞いたんですか｣
｢うん。家すぐそこたから会うんだよな｣

そんな風に思ってくれていたんだ。
中学の時から俺のこと支えてくれた中の１人が未香。家庭の事情とかもあって沢山世話になった。正直俺があいつにしてあげれることは何だろって思っていた。

｢未香の幸せは、響と一緒にいれること。それだけだって｣

俺がしてあげられる一番の事は、一緒にいてあげること。

とにかく君が 大好きだ。
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